財政と金融・経済の関係性

マクロ的な観点だと、現金は家計・企業・政府の間を回っています。

続いて、家計を見てみましょう。
企業・政府から給料を支給され、そこから政府に税金を納めます。
残金は、企業に対して消費します。
さらなる残金は、銀行預金・保険料など間接的・株式および債券など直接的な形で、企業・政府に戻ります。

企業としては、家計に給料を支給します。
その一方、家計から得た資金で事業を展開し、資金の利息を支払います。
利益は税金として政府に納め、残金の一部は配当金として家計に戻ります。

政府としては、家計・企業が納めた税金から、公務員(家計)に給料を支払います。
また、企業に対しては、商品・サービスを購入する対価を支払います。

税金は、行政サービスへの対価であると考えられます。
道路の建設および整備・警察・国防など、民間企業が提供しないとか、民間による提供が非効率的であるにも関わらず、担当者が必要な事業は、政府が担当しています。
政府がこれらの事業を行うためには、資金を要します。
そこで、国民・住民から税金を回収しているわけです。

税金には、納付先が国である国税と、納付先が地方公共団体である地方税が存在します。

地方税は、都道府県民税と市町村税に分類されます。
東京23区はやや特殊であり、別地域で言う市町村税の一部は、都税として扱われます。

国税は所得税・地方税は都道府県民税および市町村税がそれぞれ代表的です。
これらは、一般的なサラリーマンの場合、給料から差し引かれています。
われわれ一般人が認識している消費税についても、例えば5%だった頃は4%が国税であり、残りの1%は地方消費税です。

財政政策が担う役割の1つとして、税制により消費・投資パターンに影響を及ぼす事が挙げられます。
所得税率が引き揚げられた場合、サラリーマンの手取りが減り、それだけ消費金額が減少します。

われわれ個人が資金を消費しなくなると、社会全体の経済活動が滞る事が一般的です。
つまり、ある理由で景気が過熱していると判断される場合、税率の引き上げが効果をもたらします。
減税は、逆の効果をもたらします。

消費税率も同様です。
消費税率が引き上げられると、物を購入する際の支払い額も高くなり、消費・サービスの減少要因となります。
その結果、経済が滞るわけです。

ご存じの方も多いでしょうが、日本の所得税は累進課税が採用されています。
解りやすく言うと、稼いだ額に応じて税率も上昇していきます。
「裕福であればあるほど、多くの税金を納めればいい」というのが、一般社会における正義感です。
しかし、累進課税は「ビルト・イン・スタビライザー」という効果の存在があります。

好景気により個々の収入が増えると、累進課税の影響で税率が上昇し、増税に似た現象が起こります。
その結果、必然的に経済が滞るのが、ビルト・イン・スタビライザーの効果です。

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政府の資金は税金のみで維持できるのか

政府の予算が「歳入・歳出」で表現されるという事は、過去の記事で説明しました。
原則として、入ってくる資金と出ていく資金は釣り合います。
平成20年度の政府予算は約83兆円でした。

83兆円の歳出のうち、借金で補われた額はいくらでしょうか?
その答えは、何と全体の30%以上にもなります。
これは改善後の数値であり、平成15(2003)年度の決算では、確定値で約43%に上りました。

平成20年度の歳出83兆円のうち、9.3兆円が国債の利払いに充てられています。
個人で言うと、日本は生活費の30%が借金であるだけでなく、生活費の10%以上が借金の利払いだけに充てられているという計算になります。
当然ながら、借金の元本は減る気配がなく、元本返済のために別の借金をしているのです。

国の財政赤字を解決するためには、債券を発行する事になります。
国が発行した債券を国債といい、国の借金として扱われます。
債券発行を除いた国の借り入れ額は、比率で見ると微小なものであり、「国債=債券」と解釈して差し支えありません。

平成20年度の予算において、国債発行額は約126兆円でした。
そのうち、約92兆円が借り換え……つまり借金の返済資金を調達するために用意されたものです。
平成19年9月末時点での国債発行残高は、約675兆円にもなりました。

平成20年度の地方公共団体における予算合計約82兆円のうち、地方税は半分以下となる約41兆円でした。
地方交付税交付金・国庫支出金の合計額は、約20%である約25兆円となりました。
つまり、地方財政は独立採算上大規模な赤字となっており、国による財政支援で成立しているのです。

それでも、歳出額には到底及びません。
歳出額に到達するためには、借金が避けられないのです。
平成19年度の予算における借金額は約9.6兆円で、歳出全体の約12%に当たります。
地方財政での利払い額は、約2.7兆円でした。

国と同様、地方公共団体も個人に例えて説明してみましょう。
全体的な地方政府を見ると、自身の収入だけでは生活費の半分程度しか稼ぐ事ができません。
これでは、親である国からお小遣いを貰っても生活できないので、生活費として10%程度を借金しないといけない事になります。

国債とは違い、地方債は債券発行・借り入れを含んでいます。
各都道府県・政令指定都市は、「市場公募」という形で、全国各地の投資家に債券を発行するケースがあります。
一部地方公共団体は、「ミニ公募」という形で、特定地域の住民限定の債券を発行するケースがあります。

企業と同じく、金融機関から借金する場合もあります。
さらに、公営企業金融公庫という政府系金融機関から借金する場合もあります。

平成20年度時点では、市場公募・ミニ公募を含めた額約2.4兆円など、借金総額は公的機関からの借り入れを含めて11.9兆円とする計画がありました。
同年度末時点での地方における借金残高は、197兆円にも及ぶと見込まれていました。

市場公募における債券発行の中には、複数の都道府県・政令指定都市らが共同で債券を発行する「共同発行」という制度がある事を覚えておくと良いでしょう。

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